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決勝リポート

ラストイヤーに有終の美! M-1王者はとろサーモンに決定!! 写真

 2015年優勝のトレンディエンジェル、2016年の銀シャリと、復活以降、王者の活躍がめざましい「M-1グランプリ」。王者のみならず、2015年のメイプル超合金、2016年のカミナリなど、ファイナリストたちも決勝進出をきっかけにブレイクのチャンスを掴んでいる。
 年々注目度を増し、今年のエントリー数は4,094組。出場資格はこれまで同様結成15年以内、プロ・アマ、所属事務所は問わず。4分間で「とにかく面白い漫才」を披露した漫才師が、新たにM-1王者の称号と、賞金1000万円を手にすることができる。

写真  予選のチケットは即完売という人気を博した今大会。漫才の進化は年々目を見張るものがあり、結成まもない若手の台頭はもちろんのこと、プロの芸人たちを蹴落とし準々決勝に進出したアマチュアも。熾烈を極めた準々決勝から準決勝に勝ち上がったのは30組。今年は決勝枠が1つ増え、かまいたち、ゆにばーす、マヂカルラブリー、さや香、ミキ、とろサーモン、和牛、ジャルジャル、カミナリの9組が決勝へ。カミナリ、ジャルジャル、和牛以外の6組が決勝初進出という波乱含みの面子だ。そして、寒風吹きすさぶ敗者復活戦から、決勝へ這い上がったのはスーパーマラドーナ。今年はこの10組が13代目の王者となるため決勝戦で至高の漫才を繰り広げた。

 司会の今田耕司と上戸彩は「今年は会場の熱気がすごい!」とビックリ。「大爆笑をとったらめちゃくちゃ気持ちがいいでしょうね」と出場者たちを鼓舞する。審査員はオール巨人、上沼恵美子、春風亭小朝、中川家・礼二、博多大吉、松本人志、渡辺正行と、前回の5名から7名に増員。小朝は「化物がほしいですね。なんか初めて見るすごい漫才を」とファイナリストたちのネタを楽しみにしている様子だった。

 決勝戦開始後すぐに敗者復活戦組を発表。30位から順に視聴者投票の結果を発表し、残ったのはアインシュタイン、天竺鼠、ハライチ、スーパーマラドーナの4組だ。敗者復活戦リポーターの陣内智則も「敗者復活戦を見てましたが、誰が決勝に行くかわかりません!」と緊張の面持ち。そして、スタジオで今田が名前を呼んだのはスーパーマラドーナ。スーパーマラドーナ武智は「俺が一番M-1のことを思ってる!!」と何度も雄叫びをあげ決勝の会場へと向かう。

写真  ネタ順は今年から新たなルール「笑神籤(えみくじ)」を導入。車折神社でお清めした籤を司会者が引き、出た名前の順番でネタを披露する。そのため全組が舞台裏で待機。初代王者の礼二は「このルールは厳しいですね」とハラハラした表情を見せた。今田が最初に引いたのは、決勝唯一の男女コンビで決勝初のゆにばーす。女芸人・はらと、川瀬名人との熱のこもった掛け合いに、トップバッターと思えないほど会場が盛り上がる。続く2年連続ファイナリストのカミナリは、昨年の決勝をきっかけに注目を浴びた強烈な叩きツッコミが「進化している」と小朝から高評価。準決勝進出9回にして初の決勝進出、さらにラストイヤーとなるとろサーモンの漫才に今田は、「とろサーモンらしさが爆発!」、渡辺は「ラストイヤーなのにこれだけ軽くふざけることができて、すばらしい」と驚く。敗者復活から勝ち上がったスーパーマラドーナは、田中が合コンをテーマに大暴れ。しかし「もう1個何かあれば、とろサーモンよりいい点数をつけようと思った」という大吉の言葉通り、とろサーモンの点数に一歩及ばず。5組目は、10月に「キングオブコント」で優勝、「M-1グランプリ」10回目にして初の決勝進出と勢いに乗るかまいたち。オーソドックスな“怪談”をテーマにいくつもの笑いを生み出すと、礼二から「尻上がりに盛り上がった、理想的な構成」と賞賛された。

 後半戦の6組目は初の決勝進出となったマヂカルラブリー。ボケの野田クリスタルが繰り出す“野田ミュージカル”は残念ながら最下位に。今回のファイナリストで一番芸歴の短いさや香は、「歌のお兄さん」を知らないボケ・新山のリアクションに会場中が大爆笑となるも得点は最終決戦に届かず。第1回大会の中川家以来となる兄弟漫才師・ミキは、ハイスピードかつ動きの大きな関西弁漫才でいきなり最高得点&最終決戦進出。前回2位と敗れた和牛の“結婚式”をテーマにした漫才に、松本は「実は意外と新しい試みをやっている」と感心。ミキをあっさりと抜き去りトップに躍り出た。2大会ぶりの決勝となるジャルジャルによる独特な世界観の漫才は会場中を巻き込み笑いの渦に。松本から一番の高得点を引き出すも、とろサーモンの得点には及ばず敗退。最終決戦は和牛、ミキ、とろサーモンの3組が進出した。

 最終決戦トップバッター・とろサーモンは、久保田のふてぶてしさ全開に絶好調の掛け合いを披露。続くミキは“映画”をテーマに先輩2組へ下克上の大勝負。和牛は旅館の客と女将となり丁々発止のやり取りを展開。みな観客を大いに沸かせる。すべての漫才が終わり審査員は「めちゃめちゃ難しい」(巨人)、「厳しい。彼らの人生かかってる」(渡辺)、「一発で決まりました」(上沼)とコメント。3組は「全力を出し切った」(とろサーモン村田)、「お母さんお父さん、産んでくれてありがとう!」(ミキ亜生)、「今年一番おもしろい漫才を見せられた。あとは信じて待つだけ」(和牛・水田)と思い思いの感想を語った。

 結果は、巨人、松本、上沼から3票獲得した和牛に対し、渡辺、礼二、小朝、大吉の4票を獲得したとろサーモンが優勝。渡辺は「いやもう、芸人さんが売れていくっていうのは……」と涙で言葉にならない。大吉は「つかみのスピードがピカイチだった」と賞賛。「このまま売れずに終わって行くのかと思ってた。本当にうれしい」(村田)、「明日から楽しみです。ありがとうございまーす!」(久保田)と、2人の喜びの言葉大きな拍手が送られた。

写真  優勝会見で村田は「売れへん時代が長かったので優勝したことを受け入れられてない状態です」と呆然。久保田は「どこかでずっとM-1を憎みながら漫才してた部分がある」と告白しつつ、「今日回収できたってことが漫才師としての宿命を感じさせてもらいました」と安堵の表情を浮かべた。また今日は村田の誕生日ということで、「決勝が12月3日で、ラストイヤーって。38歳になったんですが、サンパチマイクっていうのも乗っかって、これは何かあるんじゃないかなと」と奇跡的な巡り合わせに驚いている様子。また、久保田は負けたときのボケとして、ジャケットの裏に「M-1 GP 2017 優勝 I am Hero」と刺繍を入れていることを白状し、「ボケじゃなくなった」と照れ笑いしていた。

 質疑応答では、優勝を報告したい人を聞かれた村田が「M-1で負けるたびに『ダメだったら帰ってきていいよ』と優しい言葉をかけてくれた母親に」と感謝。3番というネタ順については、「のびのびリラックスしてできた」(村田)、「3番か4番がいいと思ってた」と運も味方をしたよう。ネタの手応えについては、村田が「1本目は『これきたな』と思った。久保田がアドリブ入れるくらい余裕があって安心してツッコめたので、強く手応えがありました」と言い切るも、2本目は2人とも不安だったそうで、久保田は「一番怖かった。貧乏ゆすりして、負けコメントを考えてた」と吐露。気になる賞金の使い途については「宮崎空港のすごく目立つところに、温水洋一さんの銅像があるんですが、その両脇に僕らの銅像を添えてもらいたい」と本気とも冗談ともつかないコメントで会見会場を沸かせた。

 なお副賞として、Cygamesから「豪華ハワイ旅行」、サントリーからは、「-196℃ ストロングゼロ 1年分」、ファミリーマート・日清食品より、「『ファミチキ』と『どん兵衛』1年分のポイントが入った、特製ファミマTカード」が贈られる。

 この模様は、3日(日)午後6:57~10:10 ABC・テレビ朝日系列全国ネットで生放送された。

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スケジュール

1回戦

2回戦

3回戦

準々決勝

準決勝

敗者復活戦

決勝

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